2005年08月03日

マラケシュ心中 中山可穂



この本を購入したのは、帯の文句に惹かれたからである。

「愛は、極めねばなりません。極めたら、死なねばなりません」

衝撃的だった。
いつか終わってしまう恋を永遠に続けていくには「死」しかないのか?
そう思って手にとったときは、このストーリーは男女の恋愛を描いたものだとばかり思っていた。
読み終わってから知ったのだが、著者は主に女性間の恋愛を書く人であり、自らも同性愛者であることを公言している。

主人公、緒川絢彦は男性の名を語り女への愛を詠む歌人である。
もてて遊び相手には不自由しない絢彦が一人の女性に出会い、心底愛し受け入れられない苦しい時期を経てその想いを実らせていく様が描かれている。
絢彦が恋焦がれる人は、大学時代の恩師であり恩人でもある先生の妻だった。
諦めようとすればするほど想いは強くなる。
何を失ってもいい、たったひとつ欲しいものが絢彦にとって唯一手に入らないものだった。


はじめ同性間の恋愛に戸惑いを感じたが、読みすすめていくうちに、異性の間の恋愛も同性の間の恋愛もかわりはないのかもしれないと感じた。
好奇な目で見られがちな同性愛だが、恋愛は異性間にしか成り立たないと誰が決めたのだろう?
二人がお互いを思う気持ちはそんな風に思わせる力を持っていた。

許されない恋に苦悩する二人は、やがて世界中を旅し、この世の果てと考えたサハラ砂漠を目指す。

愛を貫くために二人が選ぶのはやはり「死」なのだろうか??

ストーリーに勢いがあり、一気に読ませる。

激しく濃い恋愛に浸りたいときにおすすめの一冊。



マラケシュ心中 中山可穂 講談社文庫 おすすめ度★★★★☆









posted by みー at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月26日

青の炎 貴志祐介



主人公の秀一は17歳にして殺人、―しかも完全犯罪の―を計画する冷静で論理的な少年だ。
でもその殺人の目的は大切な家族を守るため、である。

平和だった毎日を脅かす存在、母のかつての夫であり義父でもあった人物をついに殺害する決心をした秀一は、法医学書を読み緻密な計画を練っていく―。

感情に任せて義父を殴り殺すことは容易だったろう。
でもそれではだめなのである。
完全犯罪、決して自分が捕まることなく憎悪の対象を葬らなくてはならない。
それは裁かれたくないからではなく、自分が犯罪者になってしまえば母も妹も犯罪者の家族として好奇の目にさらされてしまう。それでは何のために罪を犯したかわからなくなってしまうからだ。


この作品のおもしろいところは主人公が犯人であり、その心理に沿って
ストーリーが展開していくところだ。
ここまで犯罪者の心理を細かく描写した作品は少ないのではないか。




大切なものを守るための一途な思い。
その思いに突き動かされ、罪を犯す秀一。
完璧に思われた計画だったが思わぬことがきっかけですべてが狂い始める・・・


ラスト、秀一の恋人である紀子の
「君は、悪くないよ」
この言葉がとても心に残った。

どんな事情があろうとその相手が生きるに値しない人間であったとしても、
だからといって殺していい理由にはならない。
そんなわかりきったことを越えてしまった秀一の優しさと真っ直ぐな思いが
切なくて悲しかった。

この作品は2003年3月に映画化されている。



青の炎 貴志祐介 角川文庫 おすすめ度★★★★★
posted by みー at 01:25| Comment(0) | TrackBack(1) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月18日

星になった少年 PHOTO STORY BOOK 『星になった少年』製作委員会




7/16(土)に公開された「星になった少年」の公式ストーリーブックである。
乙女は16日に早速観に行ってきた。

全ペ―ジカラーの写真集に軸となるストーリーがのせられている。
とってもお得な一冊。
文字も大きく小さな子どもにも読みやすい。

乙女は映画を観る前に購入済み。映画を観た日に、帰ってきて思い出しながらおさらいした。
柳楽優弥の鋭い目に引き込まれ、でも時折みせるあどけない笑顔にこちらも笑顔になる。

乙女のお気に入りは35Pと99Pの柳楽くん。


星になった少年 PHOTO STORY BOOK 『星になった少年製作委員会』
文藝春秋 おすすめ度★★★★★


posted by みー at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月10日

佐伯チズメソッド 肌の愛し方育て方 佐伯チズ



―女の子は誰でもきれいになれる可能性を秘めている―
それはメイクだったりファッションだったり、しぐさや言葉づかい、雰囲気など。
でもどんなにかわいい服を着て髪を巻いてみても、素がきれいでないと生きてこないのである。


乙女はいままで肌のトラブルで悩んだことはなかった。
ニキビもほとんどできず、脂っぽくもなく乾燥もせず。
「きれいな肌ですね」とよく言われていたので調子に乗って
さしてお手入れなどしていなかったのである―。
しかし・・・。
やはりお肌はお手入れしてこそ、美しくつやつやぷるぷるでいられるのだ。
お手入れはさほどせぬまま、残業続き、エアコンのきいた部屋で一日中過ごし残業時間にはスナック菓子を。こんな日々が乙女の肌にどんな影響を与えたか。想像は容易である。

お肌はぼろぼろ。乾燥でファンデはのらず。
睡眠時間が減って目の下にはクマがっ・・・

クマ?熊?


きゃーーーーーー


乙女はこの肌をなんとかせねばとデパートの化粧品売り場へ駆け込む。

ついにあれか?あれに手を出さねばならぬのか・・・
タマゴ肌になるにはあれしかないのかい??
SKUは乙女の憧れである。しかし、やはり当然手がでないのである・・・。

諦めてとぼとぼ書店に入った乙女。
そこで、運命のこの本に出会ったのである。
その本を手にするまで乙女は大胆にも佐伯チズ様のことを知らなかった。
今までの自分のお手入れ方法がいかに間違えていたか、そして特別な化粧品を
使わなくても肌は美しくなれるということがよくわかる。
詳しくはこの本を読んでほしいのだが、乙女が実践して肌が生き返ったいくつかを
ご紹介。


1.美容液はただ塗るだけでなく肌の内側に指を使って入れ込む。
表面に塗る、だけでなく奥に浸透させるように指と手をつかって優しくおさえる。
いままでの効果の100倍!!

2.化粧水→美容液→クリーム→化粧下地をつけるのにそれぞれ3分間ずつあける。
朝のメイクはどうしても時間がなく次々とつけてしまいがちだが、コーヒーを飲んだり、
服を選んだり、荷物をチェックしたりの時間にあて3分間隔を守る。
これだけで不思議なくらいファンデーションが綺麗にのります。

乙女はびっくりしました。

あんなにカサカサ、粉っぽかった肌が・・・
しっとりすべすべ!!!

チズ様は乙女の救世主、神様です。
繰り返し繰り返し読んで暗記したい本でした。


佐伯チズメソッド 肌の愛し方育て方 佐伯チズ 講談社α文庫
おすすめ度★★★★★
posted by みー at 14:02| Comment(7) | TrackBack(0) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月09日

ONE−愛になりたい− 宮川匡代



この作品は1986年に別冊マーガレットに掲載されていたものである。

約20年前に生まれた作品だが、いま読んでも違和感がなく、お互いに想い合っているのにいろんな事情によって引き離されてしまう二人がもどかしくて切ない。

主人公のさちよは「幸」という字を使わない、ひらがなの「さちよ」。
片想いの相手、幸田先輩は「幸田由幸」。
先輩がさちよに「(幸を)ひとつわけてあげるよ」というシーンは乙女のハートを撃ち抜いた。

先輩に失恋したあと、いままでは友達だと思っていた拓実の存在を意識しはじめる。
しかし、さちよは(両親の離婚のためいとこの家に預けられているのだが)いとこの圭子が拓実を好きなことを知ってしまう。応援するよ、そう約束した日からさちよの秘める想いが苦しくて痛い。

これでもか、というくらいの困難がさちよと拓実をおそう。
くじけそうになりながらお互いの絆を深め強くなっていくふたりを応援せずにはいられない。


ONE−愛になりたい− 宮川匡代 集英社文庫 おすすめ度★★★★★
posted by みー at 22:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月07日

恋ノウタ LOVE SONGS FOR YOU 愛しくて 三枝克之



この『恋ノウタ』はわが国最古の歌集、『万葉集』から60首を選び現代語訳と写真でより身近に感じられるようにつくられた詩集である。

万葉集とか、和歌とか馴染みがなく敬遠する人も多いと思う。
この『恋ノウタ』は現代語訳が本当に普段使っている現代語なので読みやすく、恋しい人を想う気持ちは昔も今も変わらないのだなあということがよくわかる。
きっとお気に入りの一首が見つかることだろう。

乙女のお気に入り

近江の海 辺は人知る 沖つ波
  君をおきては 知る人もなし  作者不詳

☆わたしの心の浅い場所はきっとみんな知っている。
でも心の奥の波はあなたをおいて知る人はいないのです

本当のわたしを知っているのはあなただけ。

昔の人は溢れんばかりの思いを歌にこめた。
現代みたいに便利なツールは何ひとつないけれど、
その頃のほうが想いを伝えるためにみんな必死になり、
力いっぱい愛をしていたのではないだろうか。


恋ノウタ LOVE SONGS FOR YOU 愛しくて
Remixed by三枝克之 角川文庫 おすすめ度 ★★★★☆
posted by みー at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月04日

『フライ,ダディ,フライ』VISUAL BOOK〜スンシンの哲学〜



もうひとつの乙女のブログ、暴走!乙女特急★でも紹介したFLY,DADDY,FLYのVISUAL BOOKである。
岡田准一と堤真一を中心としたオン・オフショットが満載。
インタビューや撮影記録、人物紹介などこの一冊でFLY,DADDY,FLYの全てがわかる!!
でも観る前に読んじゃダメ・・・!!
乙女は観る前に購入したが、パラパラーっとめくる程度に抑え、観てからそのシーンを思い出しながら満喫したのです。 


『フライ,ダディ,フライ』VISUAL BOOK〜スンシンの哲学〜 
撮影:加藤義一 角川書店 おすすめ度★★★★☆

posted by みー at 22:47| Comment(4) | TrackBack(1) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月01日

深紅 野沢尚



この作品は映画化され2005年初夏公開予定である。
第0022回、吉川英治文学新人賞を受賞した衝撃の作品である。

家族を惨殺され、一人偶然により生き残った奏子。
孤独と罪悪感がいつも胸をしめつけ、泣きたい気持ちも犯人を憎む気持ちも隠れ家に閉じ込め強がって生きる奏子。
しかし、犯人に自分と同い年の娘がいたことを知り、閉じ込めていた感情が溢れ出す・・・。

犯人の娘である未歩に会い、奏子の心が動いていく様が丁寧に描かれている。


読後感は不思議と爽やかであり、しばらく深紅の世界から抜け出すことが
できなかった。久しぶりに夢中で貪り読んだ一冊。


『深紅』 野沢尚 講談社文庫 おすすめ度 ★★★★★







posted by みー at 02:27| Comment(7) | TrackBack(3) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月27日

いつか大人になる日まで 柴門ふみ



今までにこの本を何度繰り返し読んだだろう。

1993年に放送され大ヒットとなった『あすなろ白書』
の主人公:掛居保の少年時代の話である。

冷静で観察力の鋭い彼だけど、感受性豊かで誰よりも
傷つきやすいこころをもっている。
自分を守るためずっと一人を好んできた彼が、恋をし
友情というものに触れていく過程に、つい自分を重ねて
しまい気付いたら掛居ワールドに引き込まれている。

お気に入りは第五章「三学期の兵士」。
ちょっと変わった少年掛居保と、唯一同調を感じることの
できる同じく周りからはおかしな子と思われている朝子の
再会。恋でもなく、友情ともちょっと違う二人の距離がより近くなっていく。
感じやすいこころを持ち、自分と周りの世界との折り合いのつけ方を必死で探す保。一方そうすることをもう放棄してしまっている朝子のどうしようもない自分とそれを取り巻く世界への諦めがとっても切なくて痛い。


『いつか大人になる日まで』 柴門ふみ 角川文庫 おすすめ度 ★★★★★
posted by みー at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 乙女の愛読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。